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兄弟パロ第五段

またまた綱吉視点です。
ジョット視点はもうちょっと先になります。
5.Due allodole con cui è connesso il sangue.
 ~彼は猛獣が爪を砥ぐ音を聞いたらしい~

 朝起きた時、ちょっと夢オチを期待したけど、人生はやっぱりそんなに甘くなかった。
 うん。なんとなくそうだとは思ってた。思ってたさ、今までの経験上………。
 でもさ、いくら暫く干してなかった客用布団しかなかったからって、十四歳にもなる男二人を一緒のベッドに押し込むのはどうなの? 母さん?
 んでもって、十四歳の弟を抱き枕宜しく抱き抱えて眠ってるのって、もっとどうなの?? 兄さん??

「やあ、おはよう、綱吉。珍しく早起きしたの?」
「………って、なんでウチのリビングにヒバリさんがいるんですか?」
 珍しく目覚まし時計よりも早く起きたオレが、これまた珍しく二度寝もせずにリビングに行けば、何故かウチでご飯を食べているヒバリさんがいた。
 思わず寝起きのローテンションのまま突っ込めば、朝からオレの日常をブチ壊してくれた異分子であるところの学校の先輩は、すっかり見慣れた見た目『だけ』は大変麗しい顔【かんばせ】に薄らと笑みを刷き、隣の席を指で叩いた。
「そんなことより、綱吉。さっさと座って食べたら? また遅刻するよ」
 骸が『綱吉君』と呼ぶのに対抗して『綱吉』と呼ぶようになったこの人は、結構なかなか可愛いところのある人である。本人にばれたら噛み殺されること確定なので絶対口にはできないが。
 って言うか、いや、うん。食べますよ? 食べますけどね? なんでわざわざオレの席の隣で食べてるかな。競り負けたランボが半泣きで拗ねてるよ。あれを誰が宥めるのだと思っているのだ。
「………はい。いただきます」
 意外というか、当然というか、礼儀作法に厳しいヒバリさんの隣できちんと挨拶してから箸を取る。隣りで同じ朝食を食べるヒバリさんをチラリと見れば、お手本にしたいくらい綺麗な箸使いで魚を食べている。テーブルに肘を突いたりもしないし、苦手な人は目も当てられないくらいぐちゃぐちゃにしてしまう皿の上も綺麗に骨だけになっている。小さい頃から当たり前に接していて身に付いたのだろう。にこにこ笑っておかわりを尋ねる母さんに遠慮なくも礼儀正しく何杯目かのご飯をよそってもらっている彼は、食べ方が綺麗なのも相まってあんまりそうは見えないがさり気に大食いだ。あれだけ暴れまわっていたらカロリーも消費するだろうから、相応なのだろうけど。
 しかし、こういう無意識に表れる礼儀正しさや仕草の上品さが、このひとは名家の子息なのだなぁと思う。ちょっとした所作も当たり前に優美だし、仕草も流れるような優雅さがある。戦う姿一つとってもまるで舞いのようで、「武は舞に通じる」って言葉をこのひとを見て初めて実感した。
 ああ、うん。本当、見た目『だけ』は極上なんだよな、このひと。並盛以外の場所で、私服姿なんかで黙って立ってると見惚れる少女達の視線が熱いのなんの。知らないって幸せなことだと心底思う。
「今日は珍しく窓からじゃなかったんですね」
 玄関から入るなんて珍しい。普段から利用してくれると嬉しいのだが―――きっと無理だろうな。
「うん。今日は、窓に解除に手間取りそうなトラップが仕掛けられてたからね」
「はっ!!? トラップっ!!!?」
「うん。その様子じゃ君も知らなかったみたいだね。赤ん坊の仕業?」
「いや、リボーンは自分の周囲にしか仕掛けないから………」
 兄さんの仕業なのだろう、多分。リボーンを友人に持つような職業だ。平凡なトマト農家などではありえない。
 必死で目を反らして考えないようにしていた事実から往生際悪く微妙に目を反らしながら、「それで?」と用件を尋ね、聞かなきゃよかったと次の瞬間後悔した。
 何なんだよ、その理由………。
「君の家に年頃の男が住み着いたって報告があったから、間違いが起こる前に風紀の取り締まりに来たんだ」
「………昨日の今日で早耳ですね」
 女なんて母さんとイ―ピンしかいないのに、何の間違いが起こるって言うんだ。
 このひとの思考回路は頻繁によく解らない。解るようになったら何かが終わると超直感が告げているので深くは考えない。考えたら負けだ。
「それ、オレの兄さんですよ」
「君、兄弟居たの?」
「ええ、母親違いの同い年の兄が」
 兄さんはまだ眠っている。移動疲れか(まあ、シチリア島から休憩無しで来たらしいから無理もない)やたらと良く眠っていた兄さんを起こさないようにそっと起きだしてきたのだ。―――男に抱き枕宜しく抱きかかえられてるのが嫌で逃げ出したとも言うけれど。二度寝を断念した理由でもある。いや、兄さんを嫌いなわけじゃないよ? 同じ抱き締めるなら、固い男の身体よりも女の子の柔らかい身体のが良いってだけで。
「ふーん。で? 一緒に住むの?」
「そうらしいです」
 でも、兄さん仕事は良いのかなぁ? あと、兄さんの歳だと学校ってどうなってるんだろう? 何か随分前にスキップで大学行ったとかリボーン達に聞いたような記憶があるけど、もう卒業してるのかな。兄さんだし。
「ふーん………」
 取り留めのない疑問を考えていたオレの隣りでは、何処となく不満そうなヒバリさんがなにやら不穏そうな空気を漂わせていたのだが、迂闊にもオレはうっかり見逃してしまったのだった。
 気付かぬオレの隣りで、小鳥の名を持つ猛獣が密かに爪を砥いでいた。

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御月雪華

Author:御月雪華
自サイトにて、オリジナルと二次創作の小説を載せています。
蝸牛の歩みよりも鈍い更新速度ですが、興味のある方はどうぞお気軽にお越しください。

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